そのころは、ドリームキャストっていうゲーム機を持ってて
インターネットが出来たのです。
まあ、すぐにパソコン買ったのですけど。

その頃考えていた事。
自分の男の体がイヤで。
どうしたらいいんだろう、って。
相変わらず、朝起きたら体が女になってる、っていう
可能性ゼロの妄想にすがりつくことしか出来なかった。

そんなことありえない、それは分かってたけど
身体を女に変える、、魔法でもない限り、魔法の薬みたいなものでもない限り
絶対無理だって、思った。

ニューハーフの存在って、そのころにはもちろん知ってたのだけど
そういう人たちは、水商売で数百万〜数千万ていうお金を稼いで
手術で胸を作ったり、整形したりしてるんだって思ってた。
そう、全部、何もかも手術で。魔法なんて存在しないのだから。

そのころの私、人付き合いどころか、精神的に崩壊してたから
水商売なんて絶対無理で。
だからニューハーフにはなれない。身体も変えられない。

何も出来ないんだ。。。

諦めるしかない?
諦めるのは、、出来ない。。いやだ。絶対イヤだ。
一生このままなんて耐えられない。死んだ方がマシ。。

高校くらいの時から思ってたんだけど、ある程度は耐えられるんじゃないかって思ってた。
幸い?見た目がそんなに男っぽい方じゃなかったから。
35歳とか、40歳とか、そのくらいまでは、なんとか我慢できるんじゃないかって。
そのくらいの歳になったら、もうオジサン。
どうしようもない。逃げようがない。死ぬしかない。
でもそれまでは生きよう、って。

でも、、24くらいになって、、
ちょっと難しいかな、、やっぱり辛いよ、、って。

「女性化 薬」みたいな感じで、ネットで検索かけたら
ホルモン剤の輸入代行してるサイトが引っかかった。

希望、っていうより、何これ?って感じで
冷静というか、信じてなかった。どうせウソでしょ。って。
値段も高かったし。

仮に本当に薬で女性化出来たとしても、
その状態で普通の仕事してる人なんている訳ない。

で、結局悶々鬱々とした日々が続いて、
ある日、とある女装子さんのホームページを見たのです。

ホルモンの事が、ちょっとだけ詳しく書かれていて
なんか気になって、、

ホルモンの事を詳しく調べてみたら
魔法の薬、とまでは行かないけど、ある程度の変化は望めそうだし
なにより、、薬を使いながら普通に仕事をしている人もいる。

なんていうか、私だけじゃないんだ、って思った。

ゲイのお兄さん達とお話してもなんか合わなくて
自分はこの人たちとも違う、て思って
なんか行き場が無くなってたけど、これだって、思った。

でも、後戻りできない。
自分のこの気持ち、勘違いかもしれない。
ホントは男として自信ないから、言い訳してるだけなんじゃないの?
女にもてないから自分が女になるの?
本当にただ頭がおかしいだけなんじゃないの?
そんな思いが頭の中をグルグル回って

だから、1年だけ、我慢しようって、
自分の気持ちを試して、それでも変わらなかったら
その時はこの薬を使ってみようって。

1年間、地獄。
今思うと、、我慢しなきゃ良かったかも。
この1年の間にも、心は崩壊していって
自傷行為なんかも目立ってきて
一人で泣く事が多くて、
でもこれじゃダメだって、
資格の勉強したり、
なんとかメイク覚えようとしたり、
でも顔がやっぱり男だから、全然似合わなくて
それでまた落ち込んで
そんなことの繰り返し。

8月くらいから、ざくろエキスの錠剤とか飲み始めて
ほんのちょっとだけ胸が出てきて、
ものすごく嬉しかった。そりゃもう、泣いちゃうくらい。
でも大きな変化はやっぱり無くて
その年の12月に、、結局ホルモン始めちゃった。
でも量はかなり少なめで。
他の人と同じくらいの量にしたのは
翌年の5月くらいかな。